「議題報告:岡坂忠志議員」(平成29年8月2日(木)午後1時30分)

  議 題    (1) とかち帯広空港の経営改革について
 【 理事者報告 】


《当該委員会における当会派としての質疑内容(岡坂議員質問)》

 
 Q1     一括民間委託に関する基本スキームの公表が遅れた理由は何なのか。

  また、遅れたことによって全体スケジュールに影響はないのか。

  併せて、そもそもこの基本スキームとは、どういったものなのか、この点についても伺う。



 A1     当初のスケジュールでは、基本スキーム案の公表は7月を想定していたが、確認作業に時間を要し、

  1ヶ月ほど遅い公表となった。

  これは基本スキーム案の検討の前提となる、国、道、旭川市、帯広市の4管理者間での基本的な合意事項である、

  5原則の確認作業に時間を要したことが主な理由と考えている。

  民間投資意向調査、いわゆるマーケットサウンディングについては、7月の開始予定に対し、7月31日開始と

  なったところである。

  全体スケジュールとしては、来年3月頃の募集要項の公表、選考スケジュールなどを経た平成32年度の事業開始に

  向けた全体のスケジュールについては、大きな影響はないと認識している。

  なお、基本スキーム案は、道内7空港の一括民間委託の制度設計の素案であり、4管理者で協議した、

  現時点での委託事業の基礎的な項目をまとめたもの。平成30年2月頃に予定されている、事業の詳細を定めた

  実施方針の策定に向け、検討を進めるために、基本スキーム案を提示し、マーケットサウンディングにおいて

  民間事業者からの幅広い意見を聴取することを目的としている。



 Q2     この基本スキームは、7空港全体に係る内容のものであるが、道内7空港それぞれの置かれている現状や過去の

  経過があることから、それぞれの空港に関して、地域との覚書など、独自に求められるものを基本スキームに

  盛り込むのか、またそれは可能なのか。


 A2     この基本スキーム案は、7空港でひとつにまとめて公表したものであるが、管理者ごとの章立てになっている。

  事業期間や事業方式などの基礎的な項目については、7空港共通となっているが、資料にお示ししたとおり、

  帯広空港特有の課題である駐車場についてや、国管理空港以外の3空港の共通課題である公的負担についての

  項目など、一部7空港共通でない部分も記載している。

  なお、この基本スキーム案は、基礎的な項目、制度設計を定めたものであるため、地域との覚書等、個別具体の

  項目を直接的には記載するものではないが、事業者が実施すべき事業として示している環境対策事業や、地域と

  の共生といった項目に含まれているものと認識している。



 Q3     基本スキームに記載されないのであれば、今後策定する実施方針や募集要項に盛り込まれると理解していいのか。

  これまでも、この一括民営化の議論の中では、地域との約束事項は引き続き継続していくとの答弁であり、

  このことを担保するための具体的なものが必要と思うが、考え方を伺う。


 A3     平成30年2月頃に策定が予定されている、実施方針の公表の際に併せて示す実施契約書(案)において、

  地域との覚書等について盛り込んでいくことになる。



 Q4     少し先の話しになるが、今後の手続きを経て決定される実施方針や募集要項は7空港一括のもの、一つの方針、

  一つの要項となるのか、それとも共通事項は統一しつつも、それぞれの空港単位で策定されるものなのか伺う。


 A4     実施方針や募集要項がどのような構成になるのかについては、今後の検討ではあるが、今回の基本スキーム案は、

  全体としてはひとつで、その中に共通部分と管理者ごとの章立てとなっていることから、同じような形態になるも

  のと想定している。



 Q5     基本スキームの中身について伺う。対象空港が道内7空港となっているが、この枠組みは決定したものなのか、

  今後、増減があるものなのか。


 A5     過日確認された5原則に基づき、基本スキーム案においても、対象空港は道内7空港と明確に定められており、

  今後もこの枠組みで事業の検討が進められていく。

  また、基本スキーム案においては、事業の範囲を定めた項目の「その他空港運営事業」として、

  「7空港以外の空港の運営についても管理者と交渉することができる」としていることから、今回対象となら

  ない空港が、民間委託開始後に追加できるという枠組みになっている。


 Q6     事業期間、委託期間は30年とされているが、期間設定の考え方と、7空港一括の民間委託という前例のない

  事業として適切な期間なのか、見解を伺う。


 A6     30年という事業期間の考え方としては、国交省が定めた「民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する

  基本方針」において、その期間を「30年から50年間程度を目安とする」とされていることから、今回、その目安

  を参考に、30年と想定期間を定めたもの。

  なお、事業期間については、マーケットサウンディングにおいて、意見を聴取することとなっており、それらの

  意見も踏まえ、実施方針において最終的に決定する。



 Q7     事業方式について伺う。他の先行事例と同様、滑走路等の空港基本施設とターミナルビルを一体的に運営する

  方式であるが、どのような効果を期待しているのか、また、先行事例の空港での実績はどのようになっているのか伺う。   


 A7     現在は、莫大な維持経費がかかる航空系施設といわれる滑走路等の基本施設を行政が所有・運営しているが、

  主な収入は着陸料であることから、羽田や新千歳空港のような離発着の多い大規模空港を除いて、全国の空港の

  ほとんどが赤字になっている。

  一方、非航空系施設といわれる商業施設や航空会社の事務所などが入居するターミナルビルは3セク等の事業者が

  経営しており、全国すべての空港で黒字となっている。

  このように、バラバラの経営を一体的に行うことで、例えば、ターミナルビルの収益を原資に着陸料の引き下げを

  行って新たな路線を誘致するなど、効率的かつ機動的な経営を行い、空港、そして地域を活性化させることが、

  空港の民間委託の目的のひとつ。

  また、先行事例の実績について、昨年7月に民間委託による事業を開始した仙台空港においては、まだ1年しか経過

  していないが、海外のLCCが新規就航しているほか、既存国際線の増便や廃止された国内線が再就航、国内のLCCが

  拠点空港化、二次交通の充実など、様々な効果がすでに出ているところ。



 Q8     基本スキームの中に、運営会社に求める提案事業の一つに「地域との共生に関する提案」があるが、この意図はどの

  ようなものなのか。地元経済への配慮・地域振興という意味が含まれているのか。


 A8     この事業は、空港を核とした観光振興や地域活性化、まちづくりに関して、運営者と地域が相互理解のもとに緊密に

  連携していくことが必要であり、そのために民間委託後に事業者と連携していくためのパートナーシップ協定などの

  仕組み作りも要求水準で求めていくことを基本スキーム案で求めている。

  ここでいう「地域との共生」は、そういった地域との連携の仕組みのほか、地域経済の活性化に資する提案なども

  含まれるものと考えている。



 Q9     先に確認されている五原則の中に「……4管理者全ての契約解除を念頭に対処できる包括的な仕組みをつくる」と

  されているが、事業者・運営権者が期間中に経営難等の理由などにより、契約解除の申し出があった場合の対処方法は

  どうなるのか。また、帯広市から契約解除することは可能なのか。さらに、空港を閉鎖するわけにはいかないので、

  契約が解除されたときの空港運営は誰が行うのか。

  加えて、こうした場合のターミナルビルの経営・運営はどうなるのか。このことについても伺う。



 A9     契約解除については、天災など不可抗力ではなく、運営者側の事由で契約を解除する場合は運営者が、管理者側の

  理由で解除する場合は管理者が、それぞれ相手方に与えた損害を賠償する形で契約解除をすることができる。

  ただし、今回の事業は7空港一体での運営が基本となるため、他空港契約解除を理由として、管理者は損害を賠償する

  ことなく契約解除を行うことができ、一部の空港を切り捨てるような契約は認められない仕組みとなっているほか、

  他空港の契約解除が他空港に与える影響を配慮し、4管理者で協議・調整する仕組みを構築することが予定されている。

  もしも契約解除に至った場合、現運営者は、次の運営者への引継が完了するまで協力する義務を負うこととなっており、

  空港運営には支障をきたさないような契約となっているが、万が一、引継も行えないような非常事態の場合においては、

  管理者が責任をもって空港運営を継続するものと認識している。



 Q10     市の関与(出資)団体であれば、情報公開制度に基づき、経営状況などを把握できる仕組みがあるが、この事例は

  この制度にあてはまらない。経営状況等の情報公開や事業内容の評価、さらには責任の履行確保を担保する仕組みが

  必要と思うが、考え方を伺う。


 A10     運営者が実施契約等に定められた業務を適正に履行し、要求水準を達成しているかどうか、また、財務状況を把握

  するため、国や管理者がモニタリングを行うことが基本スキーム案にも明記されている。

  従って、モニタリングを通じ、経営状況や事業の内容は確認することができるほか、要求水準を充足する運営が

  行われていない場合においては、管理者は改善命令の提出を命じ、それでも是正されない場合は、実施契約を

  解除し、生じた損失は補償される仕組みとなっている。


 Q11     本事業における費用負担について伺いう。とかち帯広空港、旭川空港、女満別空港については、「運営委託期間を

  通じた空港の将来予測を行った上で、民間の経営力やシナジー効果のみの対策では独立採算での運営が困難な

  場合には、指定対象施設の更新投資等の費用負担を必要な範囲で担うことを検討している」と記載されているが、

  運営委託期間を通じた空港の将来予想とは、いつごろまでに誰が予測するのか。


 A11     空港運営の民間委託は、更新投資等を含めて民間事業者が実施する、民間による独立採算の下で、民間の創意工夫を

  通じて空港の活性化を図ることが原則だが、将来予測の結果、独立採算で実施することが困難な場合には、公的主体が

  一定の役割を担いつつ空港活性化や財政健全化を目指すことが検討されている。

  将来予測は、その前提条件を設定も含め、4管理者で協議し、推計作業を行うこととなっている。

  その予測の結果、管理者が費用負担を行うかどうか、また、行う場合、その範囲や期間などについては、平成30年2月

  頃に公表される予定である、実施方針において条件を定めなければならないため、できるだけ早く推計を完了するべく

  現在、作業を進めているところ。



 Q12     それでは、独立採算での運営が困難な場合には、指定対象施設の更新投資等の費用負担を必要な範囲で担うことを検討

  しているとは、具体的にどのような負担なのか。


 A12     管理者が費用負担を行う場合、その範囲や期間などを定めたうえで負担を行うことが想定されている。

  先行事例となる、北海道案件より1年早いスケジュールで検討が進んでいる富士山静岡空港の例では、滑走路等の

  基本施設の更新投資について、県が一部負担することが示されているところであるが、帯広空港において負担が

  生じるかどうか、またどのような負担となるかは、今後の協議となる。



 Q13     駐車場施設の利用料金について伺う。「民間委託後の料金の取扱いについては、マーケットサウンディングに

  おける民間事業者の意見等を踏まえて検討する」と記載されているが、どのような意見を聴取しようとして

  いるのか、この点について伺う。


 A13     マーケットサウンディングにおいては、現在の帯広空港の駐車場の状況について、その整備状況や利用状況、

  運用についての情報を事業者に提供しており、それらを踏まえ、望ましい整備手法や適切と思われる料金設定など

  について意見を聴取することとしている。



 Q14     空港の駐車場については、この間の議会議論でも様々な意見があり、現状を見ると、ほぼ飽和状態であるといえる。

  管理者である帯広市として、どのような整備方法や、有料化を含めた管理方法が適切だと思うのか、現時点での

  考え方について伺う。


 A14     とかち帯広空港の駐車場については、繁忙期には駐車場が満車になる状況となっており、利用者は増加傾向で推移して

  いることから、現状の管理体制では、駐車台数が不足することが見込まれる。

  駐車場の管理運営の考え方については、駐車可能総数を増やすのか、有料化により利用台数を抑制するのかなど、

  様々な考え方があるため、その整備計画について、事業者に対し、提案を求めているとともに、空港利用者の

  アンケートでも意向を調査しているところである。

  いずれにしても、こういった調査や意見のほか、シミュレーションの結果を踏まえ、駐車場の管理運営の考え方を

  慎重に検討していく。



 Q15     次に、民間投資意向調査・マーケットサウンディング(MS)について伺う。

  MSは7月31日からスタートしているが、調査の概要と、どのようなことを民間事業者から聞こうとしているのか伺う。

  併せて、マーケットサウンディングに活用される「インフォメーションパッケージ」とは、どのようなもので、何時、

  どのような形で明らかになるのか。


 A15     マーケットサウンディングとは、基本スキーム案のほか、空港施設、ターミナルビル施設の試算や収支などの情報を

  まとめたインフォメーションパッケージを参入を検討する事業者に提示し、幅広く意見等を聴取するもの。

  事業者に対し、例えば、「事業期間30年間という設定についてどう思うか」など、基本スキームの主要な項目についての

  設問に対する回答を求めており、帯広市特有の設問として、先に述べた駐車場に関する設問も設けた。

  なお、インフォメーションパッケージは、関係する事業者の財務情報や契約情報、航空会社別の着陸料収入など、企業の

  個別情報に関するデータなどが含まれていることから、一般には公開しないもので、守秘義務に関する誓約書などを

  提出した、参入を検討している事業者にのみ提供する。



 Q16     このマーケットサウンディングは、どのような民間事業者が参加すると想定しているのか、また、どのようなことを

  期待して調査を行うのか、提案された意見はどのように反映されるのか。


 A16     想定される事業者としては、先行事例から推測すると、応募団体の主な構成員となっている総合商社や建設会社、

  交通事業者、投資会社、コンサル業者など、幅広い業種が想定される。

  基本スキーム案やインフォメーションパッケージを示すことで、来春に予定されている公募に向けて、事業者に

  参入に向けた検討をより具体的に進めてもらうことが可能になるほか、実施方針の策定に向け詳細な事項を検討

  する上で、参考となる意見が聴取できるものと期待している。

  提出された意見については、管理者側で分析し、有効な意見については、実施方針に具体的に反映したり、検討の

  参考としたりしていくことになる。



 Q17     このマーケットサウンディングに併せて、基本スキーム(案)に対するパブリックコメントを実施するとのことで

  あるが、パブリックコメントを含め地域から出された意見はどのように反映されるのか。


 A17     パブリックコメントを含め、地域から出された意見についても、実施方針等への反映の可否について検討し、

  対応していきたい。



 Q18     この基本スキーム案における7空港一括民間委託を実施した場合、とかち帯広空港の経営がどのように変わるのか、

  特に北海道の航空情勢や、とかち帯広空港の活性化にどのように資すると考えているのか伺う。


 A18     7空港一括での民間委託の取組みは、各空港のマーケティング力の底上げ、空港間連携による機能補完、航空ネット

  ワークの充実が図られるとともに、北海道全体の産業、特に観光業を発展させるものと考えている。

  その中で、とかち帯広空港については、新千歳空港との近接性や高い晴天率などの地理的優位性を活かしたヒト・

  モノの交流拠点として、また、道東の拠点空港のひとつとしての役割を担っていると考えており、北海道への旅行者が

  増加することで、とかち帯広空港の利用者も増加し、旅行消費による地域への波及効果が期待できると考えている。



 Q19     それでは、帯広市として道内7空港一括民間委託を実施するとした場合、その最終判断はいつごろになるのか、

  この点に伺う。


 A19     帯広市としての本事業への参画の判断時期としては、現在実施しているマーケットサウンディングの結果や、地元意見

  公的負担の考え方、民間委託により期待される効果などを踏まえ、できるだけ早い時期に判断したいと考えているが、

  本件が国や道など四管理者間での協議となるため、必要な条件が整った段階で判断したいと考えている。



 Q20     必要な条件が整った段階」ということであるが、今後のスケジュールを見ると来年2月頃に実施方針を公表すると

  予定されている。

  そこで、改めて確認するが、実施方針の策定が予定されている、平成30年の2月までは、事業参画について最終的に

  判断するということでいいのか、最後に伺う。


 A20     実施方針は、その後に続けて公表される募集要項と併せて、実際に事業者の公募が始まる段階になることから、

  実施方針の公表予定の平成30年の2月までには、帯広市としての事業参画について判断するものであるが、

  可能な限り早く判断し、議論を深められるよう、調整していきたい。


 <最後意見>

  分かりました。今日は7月31日に公表された基本スキーム(案)の内容などを中心に質問したが、今後、

  12月議会に条例改正、来年2月頃の実施方針の公表、そして、その前段には帯広市としての最終判断がある。

  これまで「とかち帯広空港」は、地元の経済界をはじめ、地域によって支えられてきた空港であるといえる。

  この空港の持つポテンシャルを高め、それを具現化していくために、プロセス一つひとつを慎重に検討した上で、

  望ましい空港運営手法を判断していくことを5月の委員会で答弁されているが、今、申し上げたとおり、地域に

  よって支えられてきた空港であるということを十二分に踏まえた結論となるよう要望する。

  そこには、基本スキームにもあるとおり、地域との連携というものが非常に大切になる。

  スケールメリットだけを求めていては、ここの部分が「おろそか」になってしまう。

  ターミナルビル?が設立された経過を見ても、地元の経済界や管内自治体の理解が大前提になると思う。

  また、そこで働いている人はどうなるのか、委託先の事業所はどうなるのか、納入業者はどうなるのか、また、

  新たに設立されるSPCと地域の関係などなど、まだまだ確認し、共通認識に立たなければならない課題は多々ある。

  ですから決して帯広市という一自治体の判断だけではなく、経済界や管内自治体をはじめとする関係者が納得感を

  持てる作業を進めていただきたい。



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